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書かれている事のまとめ
江戸時代の本より
ある夕暮れ、長尾謙信の城の中にある大きな石が、体をぶつけて戦い始めた.これは兄弟が争う予兆であったという.

出典
【出版年】寛文六年[江戸1661年]
【著者】浅井了意
【書名】伽婢子[おとぎぼうこ]
【タイトル】
原文の雰囲気は?
、、、或日の暮方にかの二つの石、躍り上り躍り上り頻りに動きけるに、人皆恠しみ見侍べり.忽に一所にまろび寄てはたと打合、又立のきて躍り動き、又打合たり.大石の事なり.、、、
原文の現代語訳
越州春日山の城という場所は、長尾謙信(ながおけんしん)の居住なされていたところである。謙信がもはや死去なされるという日の前の話であるが、城のうちに大きな石が2つあった。
ある日の暮れ、その2つの石が、おどり上がりおどり上がり、何度も動いたので、人々はみな奇妙に思っていた。するとたちまちに一か所に転がり寄って、「どん」とぶつかり合い、また下がってはおどり上がり、再び打ち合う。これは大きな石の話である。なぜこのようなことが起こるともわからなかった.
ただただ奇怪なことに思ったが、人はみなどうしたらいいものか考えも無い.夜が過ぎるころまで戦って、その石が欠け砕けて散り飛ぶすがたは、あられが降るようである。ついに2つの石は、一緒に砕けてやがて戦いを止めた。
夜が明けてから石の周りを見てみると、あたりには血が流れている。
これはただ事ではないと不審に思っている所に、謙信が病気となりついに死去なされた.すると謙信の息子兄弟は、その後継者を争って、本城と二の曲輪とで互いの陣にわかれて軍をする。
恐らくはその前兆であったのであろうと、後で思い合わせたという。